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皆さん、おはようございます。
阪本漢方堂薬局 西陣千本店の阪本麻里です。
本日は東洋医学の基本の考え方「陰陽論」についてお話します。
「陰陽って難しいことを話し始めたな」と思われるかもしれませんが、難しい捉え方をする必要もなく、陽気な人、陰気な人など、意外と日常会話でも使ったりしている身近なことだったりするんです。
漢方薬や東洋医学がお好きな方は更にお好きに、ご興味がある方は更にご興味を持っていただき、全く関心がない方は、少しでもご興味をもって頂き、皆様の健康に役立ててもらえたら、嬉しいです。
特徴の大きく違うものを「陰陽」で言い表すことができます。
例えば「太陽と月」は 太陽が陽で、月が陰。
「昼と夜」は 昼が陽で、夜が陰。
「体の体表と体内」は 体表が陽で、体内が陰。
では上半身と下半身はどうでしょう?
「上半身は陽」で「下半身は陰。」
不思議と答えられたりするものですよね。
ただ、これは必ずしも固定して決まっているわけではなく、対比するものを変えると同じものでも陰と陽が変わることもあります。
また見方を変えることで陰陽が変わることもあります。(*1)
体の1日のリズムを活動(運動)と睡眠(休息)でみると、活動(運動)が陽なら、睡眠(休息)が陰となります。
活動から睡眠と急に変わるようにもみえますが、活動をつかさどる交感神経が段々と弱まり、同時に睡眠をつかさどる副交感神経が活発になり徐々に力加減が入れ替わっていきます。
こうして、陰と陽が変化しながら役割交代して1日のリズムを作っています。(*2)
また役割交代するだけではなく、「よく活動すると、よく睡眠がとれる」「よく睡眠が取れるとまた活動する元気がでる」などのように、陰と陽はお互いに対立しているわけではなく関り依存しあい、またそれぞれがうまく機能するために相手の作用を必要としています。(*3)
陰と陽は別の特徴を持っているものとして分けることが出来るのに、別のものとして切り離すこともできない、という側面ももっています。
「陽気な人と陰気な人」と云いますが、「陽気な人」だけしかいなかったら、「陽気な人」という言葉もなくなります。(*4)
もしくは「陽気な人」の中で程度を比べて、「陽気な人」といわれていた人の中から「陰気な人」と云われる人があらわれるのかもしれません。
逆も同じで陽が陰に変わったり、陰が陽に変わったりもします。
こう考えていくと陰陽は対立しているわけではなく、正反対にみえる力がお互いに助け合いながらそのときに必要な状態にバランスを整えています。
外は最高気温を更新する日本列島、そして室内は冷房がきいているので、外と室内の気温差がある中、体の中はバランスをとるために、毎日大忙しです。
だから、今日はくたくたな一日だったときは早めに寝る、食べ過ぎてしまった翌日は少し食べるのを控える、そうやって体を助けることをしてみると、身体は自然とバランスをとりもどして、元気になっていきます。
陽が強すぎたら陽を抑えるために陰が頑張り(*5)、頑張った陰を今度は陽が助ける。
ただ片方の勢いが強すぎると相手方は抑えきれなくなり、良いバランスに戻すことができない「陰陽失調」という状態になります。
つまり、お互いの調整能力を越えた時で、これが病気の始まりとなります。
漢方薬はその方の陰陽バランス、強すぎているところは抑え、弱すぎているところは補い、身体の本来の力を取り戻す助けをしていきます。
体の中のことだけでなく、人間関係にも当てはまりますね。
いつも側で助けてくれる家族、友人、職場の人達の中に「最近疲れているな」と感じ、「今日は私が助けよう」と思った時に、陰陽バランスが整う方向に動き出すと私は考えています。
陰陽バランスの考え方を用いることで、心と身体に起こる複雑な現象を総合的な視点で分析できる点も、漢方の魅力です。
残暑がまだまだ厳しいですが、陰陽バランスを整えながら、この夏を乗り越えたいですね。
陰陽バランスが崩れていると思われた方はお気軽にご相談に来てくださいね。
阪本漢方堂は本支店ともに本日お盆の臨時休業しております。
四条新京極本店、西陣千本店、両店とも明後日19日(火)より通常営業致します。
何卒よろしくお願い申し上げます。
相談のできる薬局 阪本漢方堂
(*1)陰陽転化 (*2)陰陽消長(変化) (*3)陰陽互根 陰陽互用(互根互用)
(*4)可分不離 (*5)陰陽制約(対立・制約)