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「体調不良の原因 梅雨 湿気 水毒」 ~平胃散・ナンバの毛~

2017/07/16 放送

阪本漢方堂本店のある四条通にも鉾が立ち並ぶようになりました。

例年のことですが、祇園祭を迎えるこの時期、今年も随分蒸し暑くなってまいりました。

この湿度と気温の上昇はお年を召した方や、闘病中の方にはこたえます。

普通、ストレスと云うと精神的ストレスをイメージしてしまいがちですが、身体的ストレスも私達は感じているのです。

激しい気温の変化だけでなく、環境の変化にちゃんと順応出来る健康な体づくりの必要性をよく店頭でもお話しています。

今朝は、「体調不良の原因と環境 」特に湿気との関係について取り上げてみたいと思います。

 

「京都は盆地なので蒸し暑い」と云いますが、実際先週の湿度は70%代でしたが、例年90%代にもなる日もあります。

阪本漢方堂では薬草を保管する為の冷房をきかせた保管室を作っているのですが、12時間で除湿機のタンクの水が満タンになります。

 

漢方ではこの湿気が体に悪さをすることを考えます。

例えば「風」に、邪気の「邪」と書いて「風邪」と呼ぶように、湿気の邪と書いて「湿邪(しつじゃ)」。暑さの邪と書いて「暑邪(しょじゃ)」と呼び、そのような考え方が漢方の世界にあります。

つまり季節の変化(例えば暑さ・寒さ・湿度・乾燥・季節風・高熱など)、またその方の生活する環境が与える要因(例えば池や沼地の埋め立て地で湿気が多い土地に暮らしている場合、ほとんど緑のないヒートアイランド現象の起きるビルの多い街中のマンションに暮らしている場合などなど)が、体調に与える外部要因を外因と云います。

 

ちなみにその他に、考え方や感じ方の癖からくる感情や精神的ストレスなどの内部要因、それと不摂生な生活などの要因の大きく3つを体調不良の原因と考えます。

 

再度、今の時期の湿気の多い時期は、お腹・胃腸の機能が弱っている方や、身体の中の水はけが悪い方は、身体の中に余分な水分が溜まってしまい、身体が重い、頭がボーッとしたりしてきます。日本漢方の考え方では水の毒と書いて水毒と呼びます。

健康な方だと食事やその他で飲んだ水分は体をスムーズに巡って滞ることなく汗や尿として出てしまうのです。

 

さて具体的にはどのような漢方を用いるのでしょうか?

2種類ご紹介しましょう。

 

1つ目は平胃散(へいいさん)。

配合されているのは、キク科の白朮(びゃくじゅつ)、モクレン科の厚朴(こうぼく)、ミカンの皮・陳皮(ちんぴ)、マメ科の甘草、生姜、ナツメの実・大棗(たいそう)の6種類です。

イメージとして、胃に水が溜まったようなチャポチャポ感がする。時々下痢する。胃もたれ。食欲がない。ご飯を食べた後、お腹がゴロゴロ鳴る。など、皆さんの周りにもいらっしゃいませんか?

お腹を温め

 

2つ目は、お茶代わりとしてもおすすめ出来るナンバの毛。つまりトウモロコシの毛です。

トウモロコシ自体は今が旬の時期なので皆さんのご家庭でも食卓にのぼることがあるのではないでしょうか?トウモロコシの実には、食物繊維の他にビタミンB群や亜鉛・鉄・カルシウム・カリウムなどのミネラル類、リノール酸などの栄養素が含まれています。

お野菜の中ではカロリーが高いのでダイエット中の方は、食べ過ぎにご用心下さい。

もう一度、水はけを良くする目的でお勧めしたいのはトウモロコシの毛・ナンバの毛の方です。そもそも妊婦さんのむくみに用いたりするなか利尿の働きの他に、高血圧の方のお茶代わりにもお勧めできます。

10分ほど煮だして頂き、麦茶のように夏場のお茶代わりとして飲み方おすすめです。

ナンバの毛

 

梅雨に入り身体が重く感じる人、頭がボーっとする人はもしかしたら湿気の影響を受けている水毒かも知れませんね。ラジオをお聞きの皆さんの周りにお悩みの方がいらっしゃいましたら、是非教えてあげて下さいね。

 

阪本漢方堂

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