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「胃がん手術後の起こり得る症状&漢方」 ~大建中湯・六君子湯~

2017/03/26 放送

ブログをお読みの皆さん、おはようございます。

早速ですが皆さん、暴飲暴食してませんか?昨夜も土曜日・週末と云うことで深酒してしまった方もいらっしゃるのでは?

 

健康な時には、存在を忘れている胃ですが、ストレスが大きく受けた時や、胃腸風邪のウィルスの侵入を許した時などにズシ~ンと悲鳴を上げる胃。

昨年も阪本漢方堂に「胃癌の手術で半分取った。全摘した。」との相談を何件か受けました。

今朝は「胃癌手術後の起こり得る症状と漢方」について取り上げてみましょう。

 

では早速ですが皆さん、胃の大きさ・容積はどれくらいかご存知ですか?

胃の働きと合わせてみてみましょう。

 

消化管全体は全長約7m有り、胃はそのうち20~30cm。

成人では約1.5ℓ入る容積の袋です。

食道側の入り口の関所(噴門、ふんもん)は普段閉じていて食べ物が口・食道から流れてくると開きます。そしてまた閉じて食べた物や胃液の逆流を防ぎ、貯蔵します。

袋状の胃は食べた物を、時間をかけて蠕動運動によってドロドロの粥状にしてます。

そして胃の出口側の関所(幽門、ゆうもん)の開閉によって、少量ずつ十二指腸に送り出します。

 

胃の粘膜からは胃酸をはじめ消化酵素やホルモンが出ています。

まず胃酸はとても強い酸で食べ物の消化を助け、食べ物を殺菌する働きをしてくれます。

また食欲増進ホルモン(*1)が胃で作られていることが1999年に日本で発見されました。後ほどご紹介しますが漢方薬でこの食欲ホルモンを促すものがあります。

 

 

そのような働きの胃ですが、胃癌による手術で半分、3分の2、胃全部を摘出する手術を行なった場合どのような症状が起こるのでしょうか?

 

胃の関所が無くなるので、「胸やけ・胃酸や腸液が上がる・喉の痛み」などの症状が出易くなります。

 

つかえ感 手術をして縫い合わせたところにむくみが発生したり、動きが悪くなったりすることで食べた物が鳩尾(みぞおち)の上あたりにたまり、つかえ感が起きます。

 

もたれ感 手術後の小さくなった胃に食べ物が溜まって、次の腸へ送り出しにくくなり膨満感や吐き気などの症状を伴うことが有ります。

他に下痢や便秘

 

 

では漢方では胃がん手術後どのようにしていくのでしょうか?

まず一つは近年病院でも開腹手術後、腸閉塞の防止に漢方薬の大建中湯(だいけんちゅうとう)が使われるようになりました。この漢方薬に含まれる生薬は、私たちになじみのあるものから作られています。高麗人参、山椒、蒸して乾燥させた生姜、麦芽の飴の4種類が配合されています。お腹を温め腸の運動を高めてくれますので、お腹に冷え・痛みを感じる、膨満感、ガスが溜まってお腹が張っている方にお勧めです。

 

 

体格が恵まれた人でも、手術で胃を半分又は全部取った場合には、五臓六腑で云う脾気虚(ひききょ)症状と云いまして、「消化吸収の機能低下に伴って血や元気の素も不足し、体力が衰える傾向に向かう」と考えます。

そこで次にご紹介するのは、六君子湯(りっくんしとう)です。

高麗人参、ナツメの実、生姜、ミカンの皮である陳皮、サルノコシカケ科の茯苓(ぶくりょう)など8種類の生薬が配合されています。

食欲増進ホルモンを作り出す働きを高めてくれ、胃の手術後や抗がん剤による食欲低下に用いる漢方薬です。

最近では胃癌だけでなく、乳癌や悪性リンパ腫をはじめ抗がん剤治療の副作用を軽減する目的で相談にお越しになります。

食事面でもどのような点に気をつけたら良いかなども、お伝え致します。

 

 

ブログをお読みの皆さんの周りに、胃の手術をなさり、食事・栄養補給の面で心配されている方がいらっしゃいましたら、是非教えてあげて下さいね。

阪本漢方堂

 

*1 グレリン(食欲増進ホルモン)

*2 鉄欠乏性貧血、赤芽球性貧血

*3 乳糖不耐症

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