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「肝臓と栄養素」~脂肪肝、肝炎、肝硬変、肝臓がん~

皆さん、おはようございます。

京都市新京極入り口の阪本漢方堂です。

年末年始休暇中は勿論、正月が開けてこの10日間、同じ勢いでお酒を飲まれている方いませんか?時節柄、おうち飲み(家飲み)の機会が増えたのでビールや日本酒、焼酎、ワイン、ウィスキー等々買い込んでおられた方も多かったのではないでしょうか?

今朝の話題は「肝臓と栄養素」です。

肝臓は「肝腎かなめ」と云われますように、腎臓とともに、これらの臓器(五臓六腑の考え方では臓腑)が弱ると、様々な症状、病気の素になると考えられています。

実際、肝臓の働きが低下してくると、「疲れる」「気力が出ない」「イライラ怒りっぽくなる」「お酒がいつもよりまずい」「脂っこいものが食べられないようになった」「食欲の低下」「ため息、憂うつ」「よく寝られない(不眠)」など起こり易くなると云われています。

 

ただ「肝臓は沈黙の臓器」と云われるように、ちょっとのことで悲鳴をあげず症状が出にくい臓器です。

肝臓には痛みを感じる神経が無いので、私達が異常を感じる時には状況がかなり悪くなってからとなります。

たからこそ、肝臓のSOS信号を少しでも早く捉える為には、血液検査でチェックする必要があります。

血液検査の表の上の方に表示されていることが多い、ALTやAST、γGTP(ガンマージーティーピー)が代表的な肝臓の数値です。

これらは肝臓の細胞の中で働く酵素の名前(*1)です。

 

お酒や薬の飲み過ぎや、過労や精神的ストレス、ウィルスや活性酸素の攻撃などによって肝臓の細胞が傷付き、そして細胞の壁に穴が開くことで、肝臓の細胞の中で働いていた酵素が流れ出てしまい数値が高くなります。

 

逆に考えると、傷ついた肝臓の細胞がちゃんと修復されると、これらの数値は低くなり、肝機能は良い方向へ向かいます。肝臓の細胞は修復することが出来るのです。

肝臓の細胞の壁は、タンパク質で出来ています。

傷ついた壁を修復するには、新しいタンパク質が必要になります。

タンパク質の合成する能力を高めることが大切になります。

 

肝臓は、解毒、栄養素の加工や貯蔵、消化を助ける胆汁を作るなど、多くの働きを行っています。

これらの働きは、肝臓の細胞にある数多くの細胞によって行われています。

そしてこの酵素の働きを支え、肝臓を守っている栄養素が亜鉛、セレンなどのミネラルやビタミンB12などのビタミンです。

しかし現代、私達の食生活は乱れ肝臓を守る亜鉛やセレンなどのミネラルが不足する傾向にあります。運動不足や食べ過ぎ、アルコールを飲み過ぎたりすると肝臓はフル活動となり亜鉛やセレンは多く失われてしまいます。そして肝機能が更に低下してしまします。

 

では亜鉛やセレンが多い食材は何でしょうか?

これらを多く含まれる食材は、牛豚鶏など肉やレバーなどの肉類、鰻や牡蠣、スルメをはじめとした魚貝類など挙げることが出来ます。

当店では食生活で補いきれそうにない方には、牡蠣肉エキスの粒を漢方薬と一緒に飲んで頂く事をおすすめしております。

牡蠣のイラスト

漢方薬ではその人の症状や体質に合わせた煎じ薬や顆粒薬、また薬用の人参の仲間であるウコギ科の田七人参(でんしちにんじん)や、動物性生薬である牛黄(ごおう)を用います。

 

阪本漢方堂では普段の食生活をはじめ養生も大切と考え、お悩みの症状の原因はどこにあるのかを、漢方健康相談の中で一緒に考え提案していきます。

 

特に脂肪肝や肝炎は、線維化して肝臓が硬くなる肝硬変や、更に悪い細胞が出来てしまう肝臓がんなど進まぬように応援して参ります。

 

皆さんの周りに、「肝腎かなめ」肝臓のトラブルでお困りの方がいらっしゃいましたら、是非教えてあげて下さいね。

 

相談の出来る薬局 阪本漢方堂

 

 

*1 AST(GOT) ALT(GPT)

 

 

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