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「抗ウィルスの働きで注目される生薬 板藍根、金銀花、連翹」

皆さん、おはようございます。

京都市四条新京極の阪本漢方堂です。

新型コロナウイルス感染により、「免疫力」と云う言葉が以前と比べて広く行き渡り、使われるようになりました。先日ファミリーレストランでも、おばあちゃんと娘さんとの会話でも「免疫力」の言葉が何度も出てきたので、原稿を書く手が止まってしましました。

免疫力が低すぎると異物であるウィルスや細菌、悪い細胞(がん細胞)も悪さをするので、免疫力は正常に高めておかなければなりません。

さて今朝は風邪でも冬場に多いゾクゾクした寒気から始まる風邪のタイプではなく、最初から身体が熱く、39℃以上の発熱が有るタイプの風邪に用いる漢方生薬についてみてみましょう。

 

冬場に多いゾクゾクした寒気から始まる風邪で身体の節々が痛い、頭が痛い場合などは、漢方薬の中でも有名な葛根湯を用い身体を温め、汗を出すことで、風邪の元を追い出す作戦をとります。

それに対し、インフルエンザウィルスの場合をはじめ、最初から身体が熱く熱感があり、高熱が続く、喉の痛み炎症、咳、身体のだるさなど伴う場合は、熱の邪気を追い出す漢方生薬の組み合わせ作戦をとります。

 

具体的にはどのような漢方生薬なのでしょうか?3つ紹介しましょう。

まずは板藍根(ばんらんこん)。アブラナ科のホソバタイセイの根や根茎を用います。

SARS(重症性呼吸器症候群)の流行の際に、中国国内で抗ウィルスの働きのある生薬と云うことで買い占められた話が、漢方業界では有名です。

 

2つ目は金銀花(きんぎんか)と云いまして、スイカズラ科のスイカズラのつぼみ(花蕾)です。肺の熱を散らし解毒する働きです。

 

3つ目は連翹(れんぎょう)。モクセイ科の植物で春に十字の形の黄色の花をいっぱい咲かせます。数年前京都北山通の京都府立植物園にも綺麗な黄色の花を咲かせた連翹(れんぎょう)が目を楽しませてくれました。金銀花と同じく喉の痛みや発熱を抑える働きのある漢方生薬です。

ちなみにレンギョウは中国・朝鮮半島・ヨーロッパ各地でも多く植栽され、欧州では「ゴールデンベル」と言われ春を告げる花として親しまれており、花言葉には「豊かな希望」

「集中力」「期待」など、春から始まる新しいことに気持ちを前向きにさせてくれる言葉が含まれています。

 

 

さてこれら3つの漢方生薬は炎症・熱を冷まし、解毒の働き(*1)の点で共通しています。

日本国内では板藍根は医薬品ではなく、健康食品として流通しています。

阪本漢方堂で取り扱っているのは20包入り(税込)1990円

 

では最後に金銀花と連翹の配合された漢方薬(医薬品)を2つご紹介しましょう。

1つ目は銀翹錠(ぎんぎょうじょう)。1日1回の飲み方で効く錠剤タイプです。1回に4~5錠で、喉の痛みにお悩みの方にお勧めです。16錠入り(税込)1320円。

 

2つ目は金羚感冒錠(きんれいかんぼうじょう)。こちらも飲み易い錠剤タイプで、最初から身体が熱く熱感があり、高熱が続くようなタイプの風邪による喉の痛みや、口の渇き、それに咳、頭痛の症状の有る方にお勧めです。72錠入り(税込)1980円。

 

しかし症状が出てからではなく、免疫力を普段から正常に高め維持し、普段から風邪や病気を患わない様にすることが大切です。虚弱体質の改善につながります。

皆さんの周りに、保育園に行き出したら病院に通うようになったお孫さんや、お年を召して風邪をひくようになる方がいらっしゃいましたら、是非教えてあげて下さいね。

 

相談の出来る漢方薬局 阪本漢方堂

 

*1清熱解毒(せいねつげどく)

 

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