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「ぼたん鍋(猪肉)とサルノコシカケ科猪苓(ちょれい)」~猪苓湯・五苓散~

2017/01/08 放送

お正月の食べ物の話題から、

実は私、このお正月に生まれて初めてぼたん鍋を食べました。そう猪の肉です。

馬肉は信州や熊本に行った時に食べていますし、羊は北海道で、山羊は一度だけ沖縄で食べました。それに続いたのが猪です。

猪鍋をぼたん鍋と呼ぶのは、猪の肉を薄く切り、牡丹の花のように盛り付けてあるからとのこと。

食べたのは白菜・白ネギ・エノキ・椎茸など野菜たっぷり入った味噌仕立てでした。

想像していたのとは違い、臭みは無く体が温まり一緒に鍋を囲んだ友人たちも、「この味ならまた食べたい!」と一致する味わいでした。

 

さて豚は分類学上イノシシ科の動物で猪を飼いならしたのが豚なのです。

漢方では猪を用いた生薬はあるのでしょうか?

猪の胆と書いて猪胆(ちょたん)と呼ばれるものがあり、これは豚の胆嚢を用います。ちなみ豚の皮膚を猪皮(チョヒ)、胃を猪吐(チョト)、大腸を猪腸(チョチョウ)と呼びます。

しかし現在の日本の漢方の販売ルートでは見かけません。

 

 

そこで今朝の話題は、猪の名前の付く生薬・猪苓(ちょれい)を取り上げてみましょう。

この聞きなれない猪苓はキノコの仲間の担子菌類で、サルノコシカケ科の猪苓舞茸(チョレイマイタケ)の菌核を用います。

ブナやミズナラ、クヌギなど山林の中で、腐った根に寄生するキノコで、地上部分は食べることが出来ます。漢方で用いる菌核と云うのは地中にあり掘り上げると猪の糞に似ているから猪苓と名前がついたと云われています。

5~15cm位の黒褐色のデコボコした塊です。

 

漢方では炎症を抑え、水はけを良くし、下痢止めの働きが有ります。

 

では次にこの猪苓が配合されている漢方薬を2つご紹介致しましょう。

一つ目は名前からそのまんま「猪苓湯(ちょれいとう)」から。

この漢方薬は膀胱炎や腎炎などに用いられ、同じサルノコシカケ科の茯苓(ブクリョウ)、オモダカ科の沢瀉(タクシャ)、鉱物生薬の滑石(カッセキ)、それに膠である阿膠(アキョウ)から作られています。

おしっこが出にくく、残尿感がある、排尿時に痛みを感じる場合に用います。

 

二つ目は五苓散(ゴレイサン)。

こちらにも先のサルノコシカケ科の茯苓(ブクリョウ)やオモダカ科の沢瀉(タクシャ)は共通して入り、その他に桂皮・薬用シナモン、キク科の白朮(ビャクジュツ)が配合されています。

この漢方は使用出来る場面が幅広く有り、例えば忘新年会などついつい飲みすぎてしまい二日酔いで口は乾くは胃の辺りが気持ち悪く吐きそうになったり、お腹に水が溜まったようなチャポチャポした感じがしたりする場合に用います。

子供さんの吐き下しや乗り物酔いにも用います。

 

ボタン鍋の話題から猪の名前の付く漢方の話になりましたが、猪(シシ)肉を食べる際にはお肉の中心部分までちゃんと加熱してから、食べるようにしましょうね。

 

最後にラジオをお聞きの皆さんの周りに、膀胱炎や腎臓の病気でお悩みの方がいらっしゃいましたら是非教えてあげて下さいね。

 

阪本漢方堂

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