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「正倉院展 遠志 不眠&不安感」~帰脾湯、加味帰脾湯~ 

皆さん、おはようございます。

四条新京極入り口の阪本漢方堂です。

昨日から、奈良国立博物館で第72回正倉院展が開催されました。皆さん見に行かれる予定ございますか?私はとても興味があります。今回の開催は当日券の販売は無く、事前予約制ですが見に行く予定です。何故なら8種類の漢方生薬が展示されると知ったからです。

今朝は展示される漢方生薬の中から「遠志(おんじ)」に注目してみまして、「遠志と不眠&不安感」について取り上げてみましょう。

 

遠志はヒメハギ科のイトヒメハギの根や根茎を乾燥させて用います。

中国明の時代の医者であり、植物を中心に天然物の薬用研究をする本草学者李時珍(リジチン)は、遠志と云う名前の由来に、「志を強くする」と伝えています。(*1)

咳止め痰切り(去痰)、利尿の働き、むくみを取り除く働きがあり、私共では特に安神作用(あんじんさよう)と云いまして、うつ状態やストレスからくる心の病気による不眠や物忘れ、動悸などに用います。

情報量や社会変化のスピードが速い現代では、仕事をしていくうえでも「志を強く持つこと」がより大切になることでしょう。

元気な心臓のキャラクター

近年、遠志を原料とした医薬品が販売されるようになりました。

アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症ではなく、「中高年以降の物忘れ」つまり加齢による普通に起こりうる物忘れに、効能効果があります。

 

その他に、遠志を用いた漢方薬:帰脾湯(きひとう)と加味帰脾湯(かみきひとう)をご紹介しましょう。

 

以前から胃腸が弱い方、また胃潰瘍、胃がんをはじめ消化管の癌で手術治療をなさってから胃腸の働きが弱くなった方などが、過労や心労が重なったことによって、血を作る機能が低下したり、漢方で云う瘀血(おけつ)血の巡りが悪くなったりすることで、貧血や物忘れが多くなってきた。不安感やクヨクヨ考える、うつ状態になる、寝床に入っても寝つきが悪い、夜中・早朝に目が醒める、朝起きても熟睡感が無いなど不眠傾向が有る方におススメしたいのが、この遠志を用いた漢方薬:帰脾湯(きひとう)と加味帰脾湯(かみきひとう)です。

疲れやすい点や全身の倦怠感、寝ても翌日に疲れを持ち越す、胃腸が弱い点は共通するのですが、手足が冷えるタイプは帰脾湯で、手足の火照りやのぼせを伴う方は、せり科の柴胡とクチナシの実が加わった加味帰脾湯を使い分けています。

心配事が多く、寝床に入っても「ああでもない、こうでもない」と頭で思考が続き寝られない方、ある意味、取り越し苦労の多い不眠の方におススメなのです。

 

現在の海運事情と違い、奈良時代に海を渡って正倉院に収納された漢方生薬が廃れることなく、令和の時代でも栽培や自生した薬草・漢方生薬が私達の健康に役立っているのです。

機会が有れば、皆さんも正倉院展に行ってみられませんか?見え方がより深く違って見えるかもしれませんよ。

 

最後に皆さんの周りに、物忘れが気になる、ちゃんと寝られない方、漠然とした不安感など、お悩みの方がいらっしゃいましたら、是非阪本漢方堂を教えてあげて下さいね。

 

相談の出来る薬局 阪本漢方堂

 

*1「漢方のくすりの事典」鈴木洋著 米田該典監修 医歯薬出版株式会社

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